なりきり日記

このブログはノンドキュメンタリーです。登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。

レベッカ 神様はサイコロを振らない

   レベッカ

 

神様はサイコロを振らない

 必要なことは、必要な時に、必要なだけ起きる。

 

それが彼に会ってわかったことだ。

 

どこにでもある。とてもありふれたものだった。
ラジオで流れてきた音楽に耳を傾けるように、私は彼に釘付けになった。

 

どうして?

って言われたら、答えはない。

 

だって、それが私にとっては当たり前だったから。

小さな頃から音楽は道のどこにでもあった。

雨の音。車の音。ドアを開ける音。
その音を鳴らしたのが、彼だったってだけ。

 

おかしいでしょ?。
笑えばいいよ。

 

でも私は真剣だった。

もう一回聴いてみよう。

 もう一回聞いてみよう。

脳内麻薬のように、私の頭になり続けていた。

 

不思議でしょ?
笑えばいいよ。

 

でも音楽が止んだとき、

 

私にはなにもなくなった。

 

突然の出来事に、私はとても悲しくなった。

 

でも一番の驚きは、私の頭の中に彼が居なくなっていたことだ。
あのときの音はよみがえらない。

 

知ってたよ。
笑えばいいじゃない。

 

だって、どんな雨の音だって、どんな車の音だって、どんなドアの音だって

いつか止んでしまうもの。

 

もう一度聴こえたと思っても、それはまた違う音。

 

同じ音は聴こえないの。

 

もう一度聴きたいかって?
聞きたくないよ。

 

 

でもいいの、必要なことは必要な時に、必要なだけ起こる。
神様はサイコロをふらない

 

きっと、とても悲しい出来事だったけど。
それは私にとって必要なことだった。
そんな音楽だった。

 

男の子にはわからない不思議な世界。

 

 

きっといつか。
きっといつか。
きっといつか。

 

今日も涙が止まらないけれど。
止まない音はない。

 

晴れた日に、乾かしてくれる。

 

そしたらまた化粧をするの。

 

アイシャドウをたっぷり塗って私はお辞儀する。
そのお辞儀にみんな拍手をしてくれることを祈るけれど。

 

してくれなくてもいいわ。

 

だって、私がドアを開けたんだもの。

 きっとみんなきっとみんなきっとみんなドアを開けて。

音楽を聴かせてくれる。

 

おもしろい?
笑える?

 

はは、
ははは、
はははっはははは、

 

いつ?


知らない。

 

だって、
神様はサイコロを振らない

必要なことは必要な時に、必要なだけ起こる。

かなしいけどね。